石川県加賀市から山中温泉方面の山間部、ここに赤瓦と煙出しの里の加賀東谷があります。江戸の藩政の時代から林業と製炭業で栄えており、明治前期から昭和30年代までに建てられた赤瓦に煙出しを備えた主屋が周辺の田畑や豊かな自然環境とともに残され、平成23年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
車を市内から県民の森方面に走らせます。途中から急に赤瓦と板壁の大きな集落が現れてきます。ただもっと山間部のよう。重伝建エリアは荒谷町、今立町、大土町、杉水町と4集落にて、ちょっと離れています。まずは一番上にある大土町に向かいました。
【大土町】
ここは県民の森への県道から1本入った道を登っていきます。車のすれ違いができなさそうなくらいの道幅、しかも一部崖になっているので慎重に運転。ようやく集落が見えてきました。これ以上先は立ち入り禁止でした。クマは普通にいそうですwww駐車場らしきところに車を停めると案内がありました。でもこの案内板だけです。他には集落内にも何も案内はありません。
地元の方がのんびりとビール飲んでいました。
この建屋の奥に観光のぼりがあるようですが。。。地元の方はあまり観光客は好んでいないのかもしれません。逆に素朴感とリアルさがあり、生活の邪魔にならないように散策させていただきました。
集落はほぼこれで全貌です。まさに林業と炭での生活をしてのでしょう。山の中まで赤瓦を運んでこれたということは昔はきっと儲かったんだろうな。
【荒谷町】
ちょっと下にはもう少し大きな集落があります。ここには学校跡もありましたので、人口も今よりもかなり多く賑わっていたようで、資料によると芝居小屋もあったそうです。
ここは古物商か芸術品を扱っているようです。ここだけ黒い瓦。
やはり高齢化と産業の変化により過疎化は進んでいるようです。
ようやく古民家カフェ見つけました。観光地化されていないからかほとんど観光客向けのお店はありません。
【今立町】
もうちょっと下ります。メインの県道沿いはほぼ同じような赤瓦と煙出しの民家なので、ちょっと細い路地(旧道のようです)へ。
【杉水町】
ここだけ離れています。再度山を登り県民の森を通り過ぎると集落が現れてきます。
山々は林業の衰退から原野になっているところもありますが、綺麗に植林された杉やヒノキがあります。杉水町からは山中温泉に抜けて市内出たほうが近いかと思いきや山越えが多いようでナビは戻るように指示されました。
加賀東谷は赤瓦と煙出しの古民家でとても美しい集落でした。写真を撮ると同じようになってしまうので写真は違う間取りのを適当に選びましたが、実際に歩いてみると赤瓦と板壁そして煙出しで統一されているので美しさが際立ちます。岡山吹屋のベンガラの町並みと同じような印象を持ちました。
岡山の吹屋も赤瓦です。島根県の「石州瓦」を使い壁をベンガラにて大工も島根から呼び寄せたとの事で統一感があります。鉱山で繁栄していましたが、ここ加賀東谷は製炭業で繁栄し、赤瓦は「石州瓦」を島根から北前船に乗って伝つたわってきたという説があるようです。
では、その北前船の里に向かいましょう。。。
DATA
この日の機材
SONY α7RⅡ
Carl Zeiss Loxia 35mm F2
行ったところ